「神様の愛」
御影神愛キリスト教会 会員 後藤洋子
私が初めて神様に出会ったのは幼稚園の頃でした。家ではクリスチャンホームではなかったのですが、母がミッション系の学校出身だったからか「イエスの生涯」とか「聖書物語」という題名の絵本を私によく読んでくれました。そして「困ったときは神様にお祈りしたら必ず助けてくれるからね」と教えられました。子供心に神様はすごい人なんだと思いました。
中学生の時、母にクリスチャンというのは、どういう人がなれるのかを聞いた時、母は「洗礼っていうのを受けたら誰でもなれるけど、うちの家は仏教だからあなたはダメよ。クリスチャンの家にお嫁に行ったらいいけどね・・・。」というようなことを言いました。
高校生の時、私にすごく不思議な事件が起こりました。ある冬の寒い日、熱がでて学校を休みました、私の部屋は2階でしたが、高熱で階段の上り下りがつらく、おまけに部屋には暖房器具もなかったので、1階のリビングのソファーで寝ていました。父と母は「そこでじっと寝ていなさいよ。」と言い残して家に併設してある仕事場に行ってしまいました。しばらく、ウトウトしていたのですが、ふっと心の中に「やっぱり部屋に行こうかなぁ」という思いがわきました。すると「いや、部屋は寒いヨ」という声が聞こえ、「やっぱり自分の部屋の方が落ち着くョ」・・・という声が次々聞こえました。外国のアニメで主人公を悪魔が誘惑し、反対側から天使が引き止めている場面がよく出てきますが、まるでその状態のようでした。私が悩んでいると「さっさと部屋に行きなさい!」といきなり怒鳴られ、思わず「ハイ!」と返事して自分の部屋に行きました。ベッドに入って布団をかぶった瞬間、ドーンとすごい音がして、家がグラッとゆれました。「何だろう?」と思いましたが熱で頭もぼーっとしていたので、そのままウトウトしていると下で父と母が大きな声で私の名前を読んでいるのが聞こえ、完全に目が覚めました。リビングに行くと、天井のしっくいが剥がれ落ちて床一面がれきの山でした。私がついさっきまで寝ていたソファーも埋もれ、父たちはがれきを除きながら私を探していたのでした。あのまま寝ていたら・・と思うとゾッとしましたが、この時は、まだ私はすごい幸運の持ち主だという風に考えていました。その後、大学生になり、なぜか関学の神学部の人達と話をする機会がありました。5~6人でワイワイ話していると、その中の一人が急に聖書について熱く語り出し、「神様の奇跡って、案外起こったときは気づかなかったりするけど、あとで思い起こしたときにわかるものだ」と言うことを妙に力説していて、その時に私はあの天井事件を思い出し、あれは神様が助けてくれたのだと知りました。
小学生の頃、日曜学校に少し行っていたときもありましたが、うちの家は日曜日は家族で遊びに行ったりして過ごすことが多く、1回休み、2回休み・・・しているうちに行かなくなりました。その後は私自身、なぜだか神様にとても興味があり、教会にも行きたい気持ちを持っていましたが、その機会がないまま、何年も経ってしまいました。ですから、主人と付き合いだした頃に主人が、「家族がクリスチャンでぼくはまだちがうけど、教会に行こうと思う・・・」と行った時には本当にびっくりしました。そうして、この教会に導かれてくることができました。
結婚が決まり、婚約式の前に洗礼を受けました。この時も母の言葉が頭に浮かび、式が終わってからにしようか悩みました。その頃通っていた学校の神父さんが私が何もいっていないのになぜか私を職員室に呼び、「神様はずっとあなたの心の扉をたたいておられます。あなたはそれを素直に受け入れるだけでいいのです。あとは神様が、すべてあなたにいいようになさってくださいます。」とおっしゃり、それを聞いて私は洗礼を受ける決心をしました。私の家族には結婚式が終わってから報告しました。
「お証し」するにあたり、小さい時からのことをいろいろ思い出しているといろんな場面で常にずっと神様がそばにいて下さり、クリスチャンでなかった私でも守って下さり、すばらしい恵みを与えてくださっていたことを感じました。クリスチャンになってから30年と少し経ちますが、私自身、その間、少しも成長していないように思います。それでも神様は私を見捨てないでいて下さることに本当に感謝しています。