本物の神
御影神愛キリスト教会 会員 辰巳玲子
私はごく普通の日本らしい家に生まれたと思います。家には仏壇と神棚があり、毎日それらに水や花を供えて手を合わせ、掃除とお参りのためにお墓や神社に行き、地域のお祭りに参加をして神輿を担ぐのが当たり前の生活をしていました。しかし、子ども心に仏壇や神棚の置いてある部屋が大嫌いで、しかも、自分が死んだらご先祖様として祭られるために仏壇の中に入るなんて絶対に嫌だと思っていました。
また、幼い頃の性格と言えば、とても人見知りで、家族の前では明るくても一歩外に出れば別人のように無口で、集団生活に馴染めずに友達からよく意地悪をされていたと思います。その為に、保育園や幼稚園に行くのが嫌で、「お腹が痛い」とよく嘘を言っては休んでいました。そして、その様な生活を続けていると、出かける時に本当にお腹が痛くなるという悪循環が定着していきました。
私が小学校2年生になった頃、私の母が知り合いに勧められて初めて教会に行きました。一度行ってすっかり感動した母は、次の日曜日に「教会学校もあるみたいだから一緒に行こう」と言って、私と兄を教会に連れて行くことにしました。その日も、私は初めての場所に行くという事で、向かう途中の電車の中でいつものようにお腹が痛くなりました。腹痛を我慢しながら母に支えらて教会に着いたのですが、不思議なことに、教会の玄関をくぐった途端に腹痛がなくなったのです!「あれ?お腹治った!」と言った私に対して、「え!?ホント?」と母は不思議そうな顔をしていました。その後、案内されるまま礼拝堂に入りましたが、壁にかかっている十字架を見たとき、単純に「この神様は絶対に本物だ」と思いました。その場がとても聖くて輝いているように見えました。そして、聖書のお話は理解できませんでしたが、礼拝の最後に「イエス様を真の神様だと信じる人がいますか?」という牧師先生の問いかけに対して、しっかりと手をあげました。
その日以来、出かける時にお腹が痛くなるという悪い習慣がなくなりました。友達も増えていきましたし、家の外ででも活発に遊べるようになりました。そして、毎週教会に行き続け、12歳の時に洗礼を受けました。
クリスチャンとしての生活が始まってから現在に至るまで色々なことがありましたが、辛い悲しいことがあった時ほど、イエス様と、同じ神様を信じる方々に支えられて来ました。今もイエス様と共に歩む人生を送れていることにとても感謝しています。