Mikage Shinai Christ Church

2017年6月「あなたの本当の願い」

  『苦難にある者たちの告白』
~ニューヨークの病院の壁に書かれていた作者不明の詩~

大事を成そうとして力を与えてほしいと神に求めたのに
慎み深く、従順であるようにと弱さを授かった

より偉大なことができるように健康を求めたのに
よりよきことができるようにと病弱を与えられた

幸せになろうとして富を求めたのに
賢明であるようにと貧困を授かった

世の人々の賞賛を得ようとして権力を求めたのに
神の前にひざまずくようにと弱さを授かった

人生を享楽しようとあらゆるものを求めたのに
あらゆることを喜べるように命を授かった

求めたものは一つとして与えられなかったが願いはすべて聞きとどけられた

神の意にそわぬ者であるにもかかわらず心の中の言い表せない祈りはすべてかなえられた

私はあらゆる人の中で最も豊かに祝福されたのだ

 皆さんの願いは何でしょうか?欲しいと思う物、叶って欲しいと思う状況、なりたい自分・・・いろいろの願いがあると思います。叶えられない願いもたくさんあったとは思いますが、叶えられた経験もたくさんあったのではないでしょうか。叶えられた時は幸せを感じ天にまで上った気になるのはもちろんのことですね。でも、少し時間が過ぎるとその幸せな気分はどこかへ行ってしまい、虚しさが襲い自分の人生は何なのだろうと思う気持ちに苛まれた経験もないでしょうか。

 私たちはいろいろの願い事を持っています。でも本当に自分を幸せにしてくれる願い事を諦め、表面的な願い事が叶えられることだけを追い求めてはいないでしょうか。そのうちに本当の必要から出ている願いが何であったのかも忘れ、願ったことが叶えられ、でも忘れ、願って叶って忘れて、そして叶えられないことに対しての怒りを時々経験して・・・の繰り返しをしていませんか?それは皆さんの心の底にある諦め切った本当の願いがあるからではないでしょうか。小さかった時にしっかりと抱きしめてもらいたかったこと。いつも他人と比較して惨めに思っている自分に「誇りに思うよ」って言って欲しかったこと。自分を無視していつも喧嘩している両親を前に「私を見て」と言いたかったこと。人によってそれは様々です。でも、それは昔のことで今更願っても無駄と思い諦めていませんか?

 聖書の神様は目には見えませんが、時間や空間を超えて私達を愛し必要なことをしてくださいます。本当の願いを今してもその願いを聴き応えてくださる神様なのです。この病院の壁に思いを書いた方の祈りは多分表面的なものだったのでしょう。そしてその祈りは応えられなかったのでしょう。でも、時間が過ぎる中で本当の心の底にあった願いが叶えられたことを発見し、その方が自分を幸せにしてくれたと気づいたのだと思います。

 私たちはいくら表面的な祈りをして、それが叶えられたとしても本当の変わらない幸せを手にすることはできないのです。でも、恐れずに自分の本当の願いを神様にお伝えください。そして何によっても揺り動かされることのない幸せが時間や空間を超えて祈りに応えてくださる神様によって与えられることを経験できます。

 神様、この文章を読んだ方の蓋をしてきた本当の願いが何であるのかをその方に教えてください。そして、「私の本当の必要はこれです」とはっきり神様の前に言えるようにしてください。そして神様の愛から出るすばらしい応えを手にできるようにして下さい。

 イエス様の御名によってお祈りします。アーメン