2018年3月”神様との出会い”
“驚くべき神様のご計画:最後の一滴” 御影神愛キリスト教会員 笹子 三津留
昨年11月に大阪で開かれたアジアクリスチャン病院学会でのことでした。これは日本、韓国、台湾、タイの4か国からクリスチャン病院の医師、看護師、チャプレンなどが参加して毎年開かれる学会で、今年は大阪での開催でした。
私は主催者である淀川キリスト教病院柏木理事長から、「クリスチャン病院における福音伝道」というタイトルでこの会で講演をするように依頼されました。
新米クリスチャンである私になぜ?と驚いたのですが、神様が用意された機会であると考えお引き受けしました。このような講演が必要なのは、淀川キリスト教病院においてすら、クリスチャンはスタッフ全体の10%以下だからです。
多くの日本人にとって信仰は慣行行事と関連した風習でしかありません。お宮参りでは神社に祈願し、結婚式は牧師さんの前で愛を誓い、お葬式になると仏教の僧侶の出番です。
だれを拝んでいるのかを考えない人が大多数で、祈る目的は御利益です。だから、がんで死を目の前にしたとき、死んだらどうなるのか、どこに行くのか、がわからないことから急に不安を募らせます。
私はがん専門医なので、がんの患者さんやご家族が心に苦しみを抱えていらっしゃることは理解していましたが、精神的な問題と思っていました。
クリスチャンになってからは、それが精神的な痛み・悩みだけではなく、霊的なものであることに気付き始めました。この教会でさせていただいているメディカルカフェの活動を通してもそれは強く感じています。
最近は、死を間近に感じて不安な方、また手術を明日に控えて不安が強い方にはベッドサイドでお祈りをさせていただくようになりました。涙ながらに私のお祈りをじっと聞いておられる方もいらっしゃいます。
このように自分が救われて以来、救われる喜びを、神様を信じて得られる神様からの偉大な助けを、そして神様の大きな愛を私は日々伝えようとするようになりました。
学会は朝の礼拝でスタートしました。祈り、賛美する内に不安が消え去っていました。礼拝に続いて、演壇に上がった私は、不思議なほど落ち着いて、心を込めて、語りかけるようなお話が出来ました。柏木先生や多くのチャプレンの方にお褒めいただき、嬉しく感じました。妻はこの講演時間の間ずっと教会で祈ってくれていました
講演後の昼食時、小柄な中年女性が突然話しかけてこられました。淀キリに20年以上勤務している看護師さんでした。「私、礼拝での牧師先生のお話、その後の笹子先生の講演を拝聴して決心しました。」と言われました。何を決心されたのかと思っていたら、「長年クリスチャン病院に勤務して、信仰も理解し、みんなにクリスチャンになるようにせっつかれていたんだけど、なぜか踏み切れなかったんです。でも今日先生のお話にすべて納得できて、何かつかえていたものが腑に落ちたんです。」彼女の目には涙が溢れ、私は驚きで身体が震えました。
涙ながらに「良かったですね。聖霊様があなたの心に触れられたんですね。おめでとうございます。」言葉はそれしか出ませんでした。固く握手をし、互いに涙顔で微笑むだけでした。どんな賛辞にも勝る喜びと恵みでした。
淀キリでは始業時に毎日15分の礼拝がありますが、長年その礼拝に出席し、みなに祈られ続けた彼女の心のコップは溢れる寸前、表面張力が災いして溢れずにいたのです。この日最後の一滴が落ちて、コップの中身が一気にこぼれ出したのだと思います。
クリスチャン病院での福音伝道のきっかけになれば良いと考えて講演をした私は、あまりにも結果が早すぎるのに驚きました。「神様、こんなに早くこんな恵みをいただいていいのでしょうか」と、心から神を礼拝し感謝をささげました。今回の講演は私にとって大きなチャレンジでしたが、神様が与えて下さったと信じ従った時に、神様は大きな恵みを与えてくださるということを体験しました。
今、私は医療の世界で福音を語ることの喜びと使命を強く感じています。信仰を与えられる前は、希望をなくし、なんとか生きていたような私でしたが、イエス様を知って生まれ変わり、そして今神様は、「このために生きよ」とはっきりと道を与えてくださいました。神様の導きの中で今年5月から淀キリで働くことになり、メディカルカフェの働きも祝福され、これから自分のするべきことがどんどん示されている気がします。
これからも、神様がどんなに素晴らしいことをしてくださる方であるかを、たくさんの方に伝えていきたいと思います。