2021年6月「平和を作り出すもの」
御影神愛キリスト教会 F
「Fさん、インド向いてると思うで~!」「えっ?!」アジア人になろうというスローガンのもと、海外営業の仕事に励んで早4年。上司の突然の発言に言葉を失いました。先輩から担当国を引き継ぐとわかってましたが、まさか女子のわたしにインドは回ってこないだろうと思っていたのです。
でもこれは神様の導きだと思い、引き受けることにしたのです。その晩は興奮してほとんど眠れませんでした。本当にインドなのか?!何かの間違いかと思い、次の朝出社しましたが夢ではありませんでした。本当にインドなんだ。ようし!インドがんばるか!その晩から仕事帰りに本屋に立ち寄り、閉店間際までインドについて文献を読み漁るようになりました。
カレーのスパイスの香り、ガンジス河の沐浴、神聖な動物としてあがめられている牛。カースト制度やヒンドゥー教を始めとする様々な宗教が複雑に絡み合い、一言で形容できないような独特な文化。これぞまさに外国の外国だと思いました。今まで仕事で東南アジアに何度か行ったことがあるのですが、他の国とは全然違う。しかし、どこか不思議となつかしい感じがしました。
小学校5年生のとき、愛知万博が開催されるため、総合学習でインドについて熱心に調べていたのです。名古屋大学のインド人留学生へのインタビュー、みんなでつくったインドの飲み物ラッシー、運動場で泥だらけになりながらやったインドのスポーツカバディ。次から次へといろんな思い出がよみがえってきました。担任の先生からインドについて調べますと言われたときは、えっなんでインド?と思いましたが。15年以上経った今、仕事でインドにかかわることになり、あのときインドを調べておいて本当に良かったなぁと感慨深い気持ちが込み上げてきました。
「上も下も右も左も問題だらけ。それがインド。でも問題はチャンスでもある。」パッドマンというインド映画での主人公の一言。カースト制度の影響で日本では考えられないような差別や偏見がはびこっていて、宗教間の争いや女性を狙った事件も多発。そして今はコロナで非常に激しい戦いを強いられている…。入社以来関わってきたラオスと比べ物にならないほど大変。そんなインドですが、だからこそ祈りがいがありやりがいがある国なのではないかと思います。コロナという一番大変なときに一番大変な国を引き継ぎましたが。
「わたしたちが愛のために働けばそれはそのまま平和のために働いたことになります」インドのコルカタで貧しい人々に仕えたマザー・テレサ。“キリストはわたしたちの平和であって、二つのものを一つにし…、十字架によって、二つのものを一つのからだとして神と和解させ、敵意を十字架にかけて滅ぼしてしまったのである。”(エペソ2章14,16節)
仕事でアジアに関わり始めて早4年。今までは気合と根性で乗り切ってきましたが。これからインドに必要なのは、信仰に裏打ちされた愛のある行動だと実感しました。一朝一夕の努力では平和を作り出すものにはなれませんが、インドに関わることを通して、イエス様の愛をもっともっと深く知って私もそんなふうに変えられていきたいなぁと思います。