”Through it all” … 「何があっても」
御影神愛キリスト教会員 有川ジョイ
私はフィリピンのマニラで生まれ、カトリックの家族の中で育ちました。私の父は公認会計士で、母は主婦でした。私は5人兄弟の長女です。そして、日本人の夫と8歳の息子と3歳の娘という神様に祝福された家族を与えられています。私は現在、西明石にある幼稚園で英語を教えています。私はかつて、毎日曜日には教会に通っていましたが、神様を近くに感じてはいなかったと思います。私は12歳のとき、父が心臓発作で他界しました。それは、私の生活において悪夢の始まりだったのです。母が働きに出るようになり、私は3人の弟や妹の面倒をみなければならなくなりました。母は私たちの飼っていた犬をご近所に売って、食べ物を手に入れたのを覚えています。お金がなくて困窮した時にこそ、本当の友達かどうかがわかるんだなと、そのとき思いました。親戚でさえ、何か高価なものを抵当に入れなければ、お金を貸すのを嫌がるものです。その時から、私は自信をなくし、人に対してよそよそしい態度を取るようになってしまいました。友達と出かけることもほとんどなくなり、学校にも行きたくないと思うようになりました。まわりの人は誰も信じられなくなってしまったのです。ある日、家の前で、友人と話をしているとき、全く知らない女の方が私たちに近づいてきて、クリスチャンの集まりに参加するように誘ってくれたのです。なんだか、面白そうに思えて、その集まりに参加しました。聖書の言葉の分かち合いをして、賛美をして、その方たちの教会に何度か行きました。そこで聞いた聖書のことばは今でも覚えています。
神はそのひとり子を賜ったほどに、この世を愛してくださった。それは御子を信じる者がひとりも滅びないで、永遠の命を得るためである。
その時の本当の気持ちをことばで表現するのは難しいですが、その集まりにいた一瞬一瞬がすごく心地よく楽しかったことを覚えています。もっとイエス・キリストについて知りたいと思いました。残念ながら、そのクリスチャンの集まりは他のところに移ってしまい、どこへ行かれたのかわからないままです。そのため、私のクリスチャン生活も終わってしまい、私の以前のカトリックの生活に戻ってしまいました。その後、そのようなクリスチャンの集まりには参加していません。学校や母の手作りの食べ物を売る手伝いをするのに忙しくなりました。繰り返し学習する時間はなかったのですが、勉強を集中的に取り組みました。母は私たちを養うために、本当に一生懸命働いていました。母が一生懸命仕事をして頑張っている姿を見ると、私の心は挫けてしまいそうになるのです。私はその当時、神様に祈って、「なぜ、こんなことが起こるんですか」と問い続けていました。なぜ、以前のような生活を送れないのでしょうか。どうして、私たちは貧しい生活をしなければいけないのでしょうか。どうやって、今のこの状態から抜け出せるでしょうか。神様、聞いておられますか?私は高校入試に合格することが出来ました。これが、私の祈りに対する神様の答えだと思いました。その高校を卒業して、私は日本に行って働く機会を得ました。「これだ!」と私は思いました。これで、家族を助けて、もっと良い生活ができる!でも、物事はそんなに簡単に運びませんでした。採用試験を受けましたが、断られてしまいました。やっと、仕事を得たのですが、そこで、同僚にいじめを受けました。差別され、のけ者にされました。そのとき、私はイエス様に祈りました。「主よ、どうか助けてください。これは、私への試練だと思います。あなたは私を決して見捨てず、私から離れたりなさいません。」何年かが過ぎ、毎日、3種類もの仕事を忙しくこなすようになりました。私は給料の80%を家族に仕送りしました。少し生活も落ち着き、欲しいものも買えるようになりました。家族のための家を買ったり、弟や妹を学校に行かせることもできるようになりました。本当の友達と言える人達と付き合えるようになりました。2003年、私の人生を変えることになった今の主人と出会いました。私の人生は、より面白く、驚きに満ちて、しかも、とても楽しいものになりました。私の世界は家族のみ! 私は、やり遂げた!と思いました。他に何か望むものがあるでしょうか。5年前、クリスチャンである幼馴染の友達とおしゃべりをしました。彼は信仰についていろいろ話をしてくれました。毎日、お祈りするように勧めてくれました。彼は、「もし、今、死んだら、本当に天国に行けると思う?」と聞いたことを覚えています。そのときは聖霊様が私に語ってくれていたのに、よくわかりませんでした。私は友達と家族を愛していましたし、他の人に思いやりを持って接していたし、何年も神様にお祈りもしていました。でも、人生ではじめて、真剣に心から神様を求め始めたのです。神様に真実を示してくださるように祈りました。私の人生を変えるようなものであっても。2004年、友達の紹介でロサーナさんに会いました。ロサーナさんは私に御影神愛教会を紹介してくれました。最初は日本語だったこともあり、面食らうこともありましたが、礼拝に熱心に通うようになり、新しい友達もできました。しばらくすると、神様が私の心に語ってくださって、静まって神様に聞くこともできるようになりました。私には神様が必要で、イエス様は私のために死んでくださったことを示してくださいました。イエス様を信じ、ともに歩めば、すべてのことをよいものに変えてくださいます。私は20152月2日の素晴らしい朝、イエス様を主として、また、救い主として受け入れ、父、子、聖霊によって洗礼を受けました。肉体を持って生まれましたが、今、私は聖霊によって新しく生まれました。神様を受け入れたこの瞬間を、毎日をいつも感謝しています。神様からの平安と喜びが溢れてきます。そして、アガペの愛が与えられます。イエス様は私自身から私を吸い出してくださいました。私の命そのものになったのです。
最後に、試練にあるときは、いつも次の聖書のことばに戻るのです。
「主は言われる、わたしがあなたがたに対していだいている計画はわたしが知っている。それは、禍を与えよういうのではなく、平安を与えようとするものであり、あなたがたに将来を与え、希望を与えようとするものである」エレミヤ書29:11
神であるイエス・キリストに栄光を返します。主の祝福が皆様にありますように!